チューダー・ナザレ・ビッグウェーブ・チャレンジ 最高潮の熱気と共に開催
恐れ知らずのサーファーたちが大胆不敵な大会で地球最大級の波を制覇する様子をレポート。
2024年9月30日
2年越しの待望の開催となったチューダー・ナザレ・ビッグウェーブ・チャレンジは、実に輝かしい形で戻ってきた。巨大な波はもちろんのこと、優勝者にはチューダー ウォッチの授与、そして大胆なワイプアウト盛沢山の内容だった。
ナザレはかつて、ポルトガルの海岸沿いにあるのんびりとした漁師町のひとつに過ぎなかったが、青緑色の水面の奥深くには、世界のサーフィン・コミュニティの中心地になるにふさわしい、ユニークな特徴を秘めていた。ナザレ・キャニオンである。この深海の峡谷は、沖合にエネルギーを蓄積する巨大なうねりを作り出し、そのユニークな海底地形によって波のエネルギーはプライア・ド・ノルテと呼ばれる一つのポイントに集中するのだ。そう、ここは世界最大の波が記録された場所である。
そして、最大の波が記録されただけでなく、サーファーがそれに乗ったことも特筆すべき点だ。この地特有の巨大なうねりは1960年代から地元サーファーのスポットとして定着していたが、2000年代に入り、ビッグウェーブ・サーファーのギャレット・マクナマラが78フィートの波でサーフィンをし、当時の史上最大の波の記録を打ち立てたことで、ナザレは瞬く間に世界の舞台となった。マクナマラは、チューダー・ナザレ・ビッグウェーブ・チャレンジを現代に定着させるうえで不可欠な役割を果たしてきた。
2024年1月19日、大会運営者からゴーサインが出され、選手と関係者、そしてファンは72時間以内に大会会場であるサン・ミゲル・アルカンジョ要塞に駆け付ける必要があった。大会当日の1月22日、マクナマラはうねりの形成を注意深く観察し、午前中に大会の開催を決定した。
2名のサーファーで構成される9チームが3つのグループに分かれて海に入り、各グループは40分のヒートを2回サーフする。ビッグウェーブ・サーファーたちは3種類のプライズをかけて競い合う。ベスト・チーム・パフォーマンス、ベスト・メンズ・パフォーマー、そしてベスト・ウィメンズ・パフォーマーだ。40分の間に、一方のサーファーがもう一方のサーファーをジェットスキーで牽引し、入れ替わる。チューダーがサポートするポルトガルローカルのニック・フォン=ルップは、フランス人のクレマン・ロゼロとトーイングペアを組んだ。
この日のハイライトは、大会終了間際に起こった。ホーンが鳴り、ジャッジが招集され結果が確定する直前、2つの巨大なうねりが観客を混沌とした熱狂の渦に巻き込んだのだ。今回、予想されていた最大50フィートの波が発生することは無かったが、出場者たちは、それでも大きいとされる35フィートを超える波と対峙したのである。
ルーカス・チアンカはこの日最大の波を掴み、7.83をスコアしてメンズのトップに立った。彼はパートナーのペドロ・スクービーとともにベスト・チーム・パフォーマンスも獲得した。さらに、マヤ・ガベイラがウィメンズ・カテゴリーで首位を獲得した。チューダーのアンバサダーであるニック・フォン=ルップはヒート最大の波に乗り、2位となった。
そして、彼ら勝者たちはチューダー・ナザレ・ビッグウェーブ・チャレンジのトロフィーを掲げるチャンスを得ただけではない。3組優勝者全員に、その大胆な功績を記念してチューダーの時計が贈られたのだ。Congratulations!